"狭小空間"

限られた空間での店づくりのご依頼が往々にしてあります。大歓迎なんです。入ったらカウンターだけの狭小居酒屋的な空間。今はあんまり良しとされない状況ですが、大好きです。

ただ、そこには施主様の大胆な判断と設計や施工の綿密さが必要になってきます。お客様の譲り合いのご協力も、大切なポイント。

小さな空間だからこそ仮想店舗を工場などでレイアウト可能です。そこで施主様とミリ単位でサイズ感を詰めていきます。限界まで切り詰めてつくる空間なので、万人にむけた既存家具などは設置しにくく別注で製作するケースが多いです。モックアップを作り、仮想空間にレイアウトし、運営可能か検証します。来店されるお客様は多様ですので、全ての方々に快適に過ごしていただくことは難しいかもしれませんが、施主様の経験を軸に僕たち関わる人間の知恵を出し合いながら着地点を探します。

そうして機能面から生み出された空間には独特の心地よさがあります。正直、窮屈に感じることもあるはずです。だけどそれを許容できるくらい素敵な体験ができる店ならそれもいいんじゃないって思ってます。美味しい楽しいは人を寛容にしてくれるはず。

狭小店舗には独特の世界観があるというお話でした。

Utsumi Shigemi